治療
視神経脊髄炎の症状が急速に悪化した際は、短期間のうちに副腎皮質ステロイドを大量に投与して自己免疫を抑える“ステロイドパルス治療”を行います。期待した治療効果が得られない場合は、血液中に存在する免疫物質(抗アクアポリン4抗体など)を取り除く“血液浄化療法”や、免疫グロブリン製剤を点滴投与する“免疫グロブリン大量静注療法(IVIG療法)”を行うこともあります。
視神経脊髄炎は症状の再発時に高度の障害を起こすことがあるため、再発予防治療は大切です。これまではステロイドや免疫抑制薬による治療が一般的でしたが、ステロイドの副作用や感染症の併発が課題でした。最近では、補体C5 、IL-6 受容体、B細胞を標的とする生物学的製剤の再発予防効果が臨床研究で確認され、エクリズマブやサトラリズマブ、イネビリズマブなどの薬剤5種類が国内で保険承認されて徐々に普及しています(2024年4月現在)。再発の不安からの解放や、医療の標準化を目指す中で、生物学的製剤の役割は重要性を増しています。
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